ゼンスイクーラーの値上げについてご案内いたします。
アクアクーラーでは私が推奨しているZCクーラーですが6/1より値上げが実施されます。
LSSはゼンスイ製品の問屋としてアクアストア様に商品を供給しており、今回の値上げに伴いある程度の値上げ前のロット在庫を予定しておりますが、長くは持ちませんの。。。クーラーの設置が決まっているアクアストア様、購入予定のユーザー様には6月までの購入をお勧めします。
マリンアクア機器でとても高額なクーラー。
この選択や設置に関して間違っていることが多いです。問屋という立場から修理連絡の窓口になっており年間に何十台(100台に近い)の修理の仲介をしております。
その立場から、完全私的ではございますがクーラー選択についての考えをブログにしたいと思います。
メーカー選択
主にアクアで流通しているクーラーで高性能機はゼンスイのZCシリーズ/レイシーLXシリーズになります。
ゼンスイZRやGEXさんのクーラーはZC/LXとは比較するのはスペックが違いすぎるため2種を海水水槽のクーラーとして推奨します。
→熱交換パイプの素材やコンプレッサーなどの構成部品(電気代)(寿命)などに大変優れている為
2機種のどちらがという事ですが、音や寿命に関してはレイシークーラーの若干ですがアドバンテージがあります。
ゼンスイに関しては必ず必要となるメンテナンスやアフターの良さ(貸出機・オーバーホールサービス・修理時の修理をしない場合にかかる費用・廃棄費用)など意外と知られていない購入後トラブルに関して優れている事です。
ではどちら?
なのですが、機械だけ高性能なものを選んでも、故障は人為的(のちほど説明)と設置環境により引き起こされます。
新品購入の年に三回交換するお客様や、必ず3年に1度壊れるお客様など年間何台もの案件を見ています。
LSSは取扱い問屋のひとつでしかありませんので、メーカー規模としては膨大だと思います。
そんなことから、保証期間後でもスムーズに貸出機などの対応をしてくれるゼンスイさんを私は総合的な観点から考えてお勧めしています。
ゼンスイクーラー選択
一番大切で悩む問題ですよね。
ゼンスイさんがホームページで一番簡単に算出できる機器選定の目安を紹介しています。
下記写真クリックでアクセスできます。
水槽の容量+アクア機器の電源容量を足した数値をクーラーの対応水量と比較する方法です。
この時点でご自身が使われているクーラーが足りていない方も多かったりするのでは。。。。
私はメタハラ使用時代には簡易計算として水槽+サンプの容量*3倍で計算して数値をお客様に推奨していました。
DCポンプやLEDの現時代でも2.5〜3倍を推奨しています。
(熱源は減りましたが、高額なクーラーを1年でも長く使用していただく為にメーカーの推奨値よりさらに1ランク上げています。
壊れた時にメーカーに送る手間や故障した場合の生体損失・自身の制約時間も考慮)
クーラーの循環水量
ゆっくり通した方が良いという説がありましたが、正しくは早い方が冷却効果は高まります。
クーラーには循環水量の目安が記載されています。
これは、冷却能力の算出にもなっているのでこれ以下の数値で使用してもメーカーの算出スペックを出せないだけでなく、クーラーにセンサーが内蔵されたゼンスイのZCクーラーでは正しい数値がモニターできない、凍結などいろいろな問題が起こりますので確認してください。
上限値も同様で早ければより冷えますが、強すぎるポンプは機器の耐圧スペックを超えてしまい、クーラーからの水漏れや正しい水温をセンサーが読み取れなくなります。
例:ZC500の場合 メーカー推奨値 10〜40 L/H となっています。
ポンプ選択
それぞれの特徴がありますのでショップ様と相談してチョイスしてください。
マグネットポンプ
→ 最も壊れにくく、細い配管を使用するアクアにおいては一番押し出す力が強いポンプです。水温が上がりやすい・運転音がデメリットとされていますが、ポンプの故障リスクが減る事で生体の死亡リスクは軽減されます。
ACポンプ
→ 配管により極端に負担がかかり、シャフトが折れて壊れるケースがあります。大型のポンプがあまりないので信頼できるポンプが選択できるのてあれば推奨。スイッチのON/OFF時に壊れる事が多いので都度ON/OFFするような飼育方法には不向きな場合も
DCポンプ
→ 配管が極端に細いと出力を出し切れない(ecotech vectraはDCポンプの中では押し出しトルクが他のポンプに比較て強い)、ACアダプターなどスペース/水没などのリスクもあるので設置に注意が必要。
静穏性に優れている。流量がコントローラーで調整可能。
流量コントロールにて餌あげなどの時に完全にOFFしなくてもいい場合は更に機器にも優しい(フードモードもついている機種が多いが、完全に止めずに弱めるだけで問題なければそちらの方がポンプには負担は少ない)
空焚き防止水位フロート(OCTO VarioS)フードモード(varioS/vectra)などの多機能モデルもあり
配管
ホース配管は取回しが容易ですが、空気と接している面積が多く(たるみなども含め)熱損失が多いです。
塩ビ配管は熱損失は少ないですが、エルボーなどを使用するためポンプの出力(流量)をロスします。
どちらもデメリットは存在しますので設置場所によりショップ様と相談してください。
→ よく質問いただく事に下記のようなことがあります。
"水槽へはクーラーの出口に異形で15mmホース、クーラーはZC500で塩ビ配管でVP16を直接入れていますが、水槽に入る前に15mmにしているので全部15mmホースでもポンプの負担は変わらないでしょうか" というような質問。
これに関してはNOです。
水槽への最終ホースが15mmでも、それまでは使用できる配管の最大値又はそれ以上の方が効果的です。
例えばOCTOのVariosは直接塩ビVP25で配管できる機種があります。variosとクーラーを19mmホースで接続するので専用のvarioSアダプターでVP25からVP16に下げて、そこにホース配管するのはポンプの流量効率だけ考えれば違います。
クーラーの直前まではVP25で配管するのが最もポンプの最大流量を引き出せます。極端なお話をするとVP40にアップする方がもっと効率よくできです。
(ただし、現実として狭い水槽スペースで異形を使ってアップしたりダウンしたりするのは見た目、スペース的にもよくなく、非現実できです。クーラーなどを通過して、水槽に入るときの径がすべのポンプの循環効率を決めるわけではないことを知っていただくための案内です。現実的な配管の為にはポンプサイズとの問題が切り離せません。専門店の知識のある方とお話しされることをお勧めいたします。
(こちらの径が大きい方が効率が高い事はレイシー・三相ポンプさんにも確認した情報です)
設置環境1
最初にも書きましたが、アフターの窓口をしていて最も多いクーラーの繰り返しの故障順位は設置環境によるものです。
1位)キャビネット内の設置
2位)最大室温が32度超える環境
3位)壁ぎり設置(ゼンスイのクーラーに多い後ろ吐きの場合)
いずれも故障の基本原因です。結果として冷却効率が悪化して運転時間が長くなりコンプレッサーやクーラーの各部品に負担がかかり短命で故障します。ここがポイントです。
メーカーは1度の運転サイクルが長くても10分から15分以内の運転を想定しています。この時間がもっとかかってしまう場合は設置環境の改善とクーラーのサイズアップを考慮しないと短命で壊れる可能性率がたかまります。
個々にに考えていきたいと思います。
キャビネット内の設置/壁切り設置
→これは最もリスクが高いです。格子がついているので問題ないといわれるお客様もいるのですが熱は上に上がるため格子の多くは下向きになっていて効率が悪いです。またPC用のファンをキャビネット内に設置されている方や換気扇(静穏または弱いタイプ)では熱を放熱できないことからキャビネット内の設置しNGに近いです。対策として夏場などは扉の開放や格子窓の取り外し、大型ファンでキャビネット内部の温度を室温に近づけることがポイントです。
壁切り設置もクーラーに熱がこもります、特に水槽は部屋の角に設置されることも多いのでクーラーの熱が部屋のコナーでより高まる傾向があります。
日本の住居環境からしたらキャビネット内の設置は仕方ないと思います。見た目にもクーラーはかっこいいものではなく何かおしゃれなもので囲い見えない方がいいと思います。
ですが対策なく設置されている場合の故障の繰り返しを多くみている立場の為にあえて記載いたしました。
アクアクーラーが進化して熱を自分で処理する、なくなるなどの技術は今はないので。。。
最大室温が32度超える環境
→これも仕方ない事ですが、クーラーメーカーのスペックは30-35度で設計されています。クーラーは周辺の空気を利用して冷却しますのでこの温度が高いと冷却効率が悪くなりコンプレッサーの稼働時間が長くなり短命で壊れます。
留守中の家のエアコンをONにする事での電気代の事は考えず水槽内の生体の事を一番に考えた場合、留守中の室温が30度、それ以上になる場合は部屋のエアコン設定をこれ以下になる様に設置することで留守中のクーラー故障によるトラブルを減らせる事はまちがいありません。大切な生き物と高額なクーラーの事を考えても実施価値のある方法だと思います。
後日メーカーにこちらの温度について再確認を取り再度こちらに記載したいと思います。
定期メンテナンス
ほこりなどのフィルターは定期的にチェックされ空気がスムーズに流れるようにしてください。
オフシーズにはメーカーに出して普段メンテナンスができない部分の掃除をしてもらうのいいと思います。
ゼンスイさんはその際の貸し出し機も用意してくれます。
故障の時は
ゼンスイクーラーの場合について記載いたします。
故障でお急ぎの場合は下記をまず購入店に伝えてください。
保証期間内、外とわず一緒です。
保証期間内の場合
機種と症状、購入日、代品の必要の有り無し+共通事項
保証期間外の場合
機種と症状、購入日、代品の必要の有り無し+共通事項
大切なのは共通事項です。(水温計がくるっている場合以外の冷えない症状の場合)
これを忘れている方が多いので必ず確認してください。
・クーラーの動作ランプがついている状態で風は感じないが暖かい感じがする(ファンの故障)
・クーラーの動作ランプがついている状態でファンが動いているが熱風が出ない場合(コンプレッサー故障)
暖かい風が出ているのに、水温が冷えていない場合は、クーラーサイズが適正でない場合が多いです。
ショップ・メーカーにご相談を。(保証期間内でメーカーに送り、問題なくて送料などの負担することになる場合が年間でも結構あります。)
保証期間内で上記に該当する場合は更に下記も時間があればショップに伝えるといいです。
・水槽とサンプサイズ(容積で水量ではない・・・計算は
こちらから)
・循環水量
・使用している機器の電気容量合計
・設置環境の写真
があれば貸出機ではなく症状により新しい機器を出していただける場合もあります(原則は商品確認後ですが)
生体の生き死ににかかわるのでお急ぎな事はメーカーも理解しています。
今なら延長保証
一年保証が延長されるキャンペーン中みたいです。
申し込みが必要なので下記リンクよりアクセスしてみてください。
まとめ
・適正なクーラーサイズの選択
・キャビネット内設置などには注意が必要(原則NG・・・ 加工・工夫してください)
・適正な室温
・室温や設置環境もあっているのに冷えずサイズアップできない方は、メイン水槽の循環と切り離して濾過槽とクーラーの単独循環にしてポンプ出力を上げる方法も検討(OFシステムの場合)
以上 クーラーがスイッチも頻繁にはいるシーズンになりましたので、問屋とアフターの中継ぎの立場としてブログにさせていただきました。(私的知識な部分も多いので参考レベルにて)
とても長くなってしまいましたが読んでいただいたお客様ありがとうございます。
それでは皆様、本日もすばらしいアクアライフを